離婚後の日記

離婚した。

詰むや詰まざるや 西武vsヤクルト

プロ野球には全く興味がない。スポーツ観戦自体が間の抜けた趣味だとすら思う。スポーツなんてものは見るのならばやるべきである。百歩譲って経験のある競技の観戦でなければならない。プロの高度な技術の良し悪しなど経験者ですら理解は困難だ。

 

但し、書籍は別である。通常では理解すらできなかったその技術その瞬間が言葉により表現されることで我々の心を打ち、その奥深さに感動できる。スポーツノンフィクションの面白さはここにある。スポーツ新聞の根源はここにある。

 

そうして私は野球の本を読む。「嫌われた監督」を読んで落合ファンになった。結果のみを追い求める清々しさとプロフェッショナルが故の寂しさ、そして時折出てくる信子夫人のすべてに魅了された。

「砂まみれの名将」を読んでノムさんファンになった。沙知代夫人の舌禍事件からシダックス監督となった野村監督の野球愛と、知将と呼ばれたその思考と人間らしさのすべてに魅了された。

 

 

この本は1992年から1993年にかけて戦った森・西武と野村・ヤクルトの日本シリーズの闘いの記録である。

ノムさんのボヤキに始まり、戦力の差、監督の思考、そしてそのワンプレー、ワンプレーが仔細に綴られ、選手がそれを振り返り言葉で彩る。実際にその試合を見ているかのように、いや見ている以上に野球を楽しむことができる。

きっと野球を知らなくてもあの飯田哲也バックホームが熱気を持って脳裏に浮かぶはずである。

 

 

 

日本橋丸善で購入。本屋は出会いがあっていいもんだ。